春先のこと。
お義母さんのベッドサイドの 小さい花瓶の水をとりかえに 洗面所に行きました。 ハーブの茎をそおっとお水で流そうと 手にとって見ると あれ? ひょろり、ちょろり 小さな根が出てきます。 たまらなく嬉しくなりました。 お義母さんの命の根のような気がしました。 「おかあさん、おかあさん! 根が出てるよぉ!」と お義母さんに言うと 「そうかねぇ^^」と 目が微笑みました。 とても不思議なことだけれど 救急車で運ばれて 意識不明の頃 毎日のように、お花がしおれました。 お部屋が乾燥しているからかな?とも思ったけれど それだけではなくて お花が義母の心身の痛みを吸い取ってくれているかのような そんな気持ちがして 毎日お花を持っていって しおれたお花に「どうもありがとう」とお礼を言って また新しいお花をいけていました。 そんなふうな秋・冬だったのだけど 春になって なんとハーブの茎から小さくて頼りないけれど 根が出てきたのです! 嬉しかったなぁ。 お義母さんの命がつながって 今度は新しい根が出てきて 根を張ってゆくんだなぁと思うと 本当に嬉しかったなぁ。 そして六月。 およそ半年ぶりに、お義母さんが日赤を出ました。 救急車で運ばれて搬入された「救急入り口」から 今度は車椅子に乗って出ました。 なんだか涙がこみ上げました。 「よかったね、よかったね」と 何度も言いました。 お義母さんは後遺症で痴呆になって いつも朗らかです。 いつもふるさとの今は亡き人たちに逢っているし かわいい盛りの子ども達に逢っているし これからおっぱいが大きくなる娘だと自分のことを思っているときもあるし・・・ いつも朗らかです。 酷なことなのかもしれないけれど お義母さんへの神様からのギフトかもしれないなあと思って 有り難い気持ちです。 こうして季節がめぐってゆきます。
by nonohanatomochan
| 2008-06-10 13:00
| エッセイのような言葉
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